この「聖者の行進」が歌われるようになったのは、おそらく18世紀の後半のことではないでしょうか、アフリカから奴隷として連れて来られた人たちは強制労働の明け暮れ、この頃はまだ黒人に宗教は教えられていませんでした。 だが奴隷の人たちは労働の合間に時おり聞こえてくる讃美歌に耳を傾けたこともあったでしょう、それを自然発生的にめいめいで口づさんで居るうちに、自分たち固有のリズムとが溶け合って 「聖者の行進」 《 When The Saints Go Marchin" in 》 「聖者はきっとやって来る」 が生まれたのでしょう。 《 おお 我らの神よ いつか我らを天国に迎えておくれ そして天国では安すらかに眠らせておくれ おお我等の神よ ・・・ 》 神を讃え死んだら天国へ行けるよう願っていました。
それらが数多くの黒人霊歌を作り出し、その一つが 「聖者の行進」 であります。 始めの頃は主に仲間の埋葬のため静かに歌いながら墓地へ向けて行進していました。 その帰りにはトランペットも鳴らせ賑やかに仲間の霊も加わっているかのような陽気な歌となっていきました。 アメリカのトランペット奏者で歌手でもあったアーム・ストロング こと サッチモ が歌い演奏して世界的な歌となってゆき、今では多くの集会などでこのメロディーが使われるようになっています。 大島