ナポリは地中海のティルニア海に面したイタリア南部最大の街、観光港の西側に地元の船を繋留する港があります。 その港から沖へ東前方にはあの有名な 「ヴェスヴィオス山」 が雲をたなびかせています。 太陽が地中海を照らしながら沈んで行くころ美しいナポリの港を離れ舟出した男は、ナポリの港の灯りを見ながら歌っています。 「徳永」さんの詩はこんなイメージから詩を書かれたように思います 《 遠いところへ 舟出のときにゃ 舟で歌うナポリターナ 歌ううちには 港は消えて 月の光に遠くナポリが見える サンタ・ルチア 別れのそのさびしさ 幸を求めて 舟出はしても ナポリの月を 遥かに見る悲しさ ・・・ 》
原詩は 《 舟が出る 遠い遥かな海に向けて ふなべりでナポリ人たちが歌っている 彼らが歌っている間に 湾はすでに見えなくなり 海の上に上った月の光が ナポリを かすかに照らし出す 》 港をでた舟には複数の舟人が乗りナポリを偲んで歌っています。 語るように 静かに ・・・ 「遥かなるサンタ・ルチア」 は、1919年 「E・A・マリオ」 が作詞作曲して 「ビエディグロッタ音楽祭」 で歌い優勝した歌です。 地元で 「サンタ・ルチア」 といえばこの歌のことナポリを代表するナポリターナです。 「遥かなるサンタ・ルチア」 は日本語詩も原詩もそれぞれの思いを伝えています。 大島